万葉集の基礎知識

万葉集を楽しむ上での基本的な知識を学んでおきましょう。

和歌の形式

ここでは歌体という和歌の形式を開設します。

*短歌:皆さんお馴染みの五七五七市の形式です。平安時代以降はこの形式が一般的になったので和歌といえば短歌というのが定着したようです。万葉集に収められている歌もこの形式が最も多いです。

*長歌:五七、五七、五七、と五七を三回以上繰り返して最後を五七七で締めくくる形式です。古事記や日本書紀にも多く現れる形式ですが、その後廃れていきました。公の場で詠まれた歌が多く、長歌の後に、その意味を要約したり意味を補足する反歌が添えられている事が多いです。

*旋頭歌:五七七、五七七、と五七七を2回繰り返す形式。元々は最初の五七七を詠んだ後に、別な人がその歌に続けて詠んだ問答形式のものが起源だが万葉集では一人の作者による自問自答形式のものになっている。4句目で頭の句に戻って同じ韻律を踏む事から頭の句に旋るという意味で旋頭歌と呼ばれるようになったようです。

和歌の種類

万葉集は歌の内容から「相聞歌」「挽歌」「雑歌」の3つに分類されます。
「相聞歌ーそうもんか」元来は相手の様子を尋ねる、消息を確認しあうという意味ですが、万葉集では男圧倒的に女の恋愛に関する歌となっています。
「挽歌」は人の死を悼む歌です。
「雑歌ーぞうか」は相聞歌、挽歌に含まれない全ての内容の歌です。

枕詞(まくらことば)

特定の語の前に置いて語調を整えたり、ある種の情緒を添える言葉のこと。例えば「あおによし」は奈良の枕詞、「たらちねの」は母、「ぬばたまの」といえば黒や夜の枕言葉というように決まった言葉があり、枕詞そのものには特に意味がありませんので、たくさんの作品に触れて覚えて下さい。

序詞(じょし/じょことば)

枕詞と同じく、ある語句の前に置き音やイメージから次の語句を導き出すもの。枕詞は5音であるのに対し序詞には音数の制限がなく自由に作ることができます。